綿菓子と唐辛子





「わぁぁああー!美味しそうー!!」


しばらくした後、家庭科室には黄色い歓声が飛び交っていた。


「本当だ~!盛り付けも完璧!あたしたちの作ったやつとはレベルが違う〜!さっすが部長ですねっ!」

「ふん、そうだろそうだろ」


90分後、家庭科室のテーブルには、見るからに美味しそうなイタリアンが並んでいた。

トマトにモッツァレラチーズとバジルをのせ、その上にエキストラバージンのオリーブオイルをかけた簡単なカプレーゼサラダと、

トマトにベーコンなどを加えたソースにパスタを絡めた、アマトリチャーナ。

なかなかの出来映えだ。

うん、彩り・盛り付け等々も最高だ。文句ない。


「んじゃ、食べるか!」

「「はーい!」」

「…ヒメも食えよ」

「…うん」


テーブルに座ると、キラキラした顔で、フォークにパスタを絡ませて、もふもふと出来上がった料理を食べるヒメ。

その様子を見てると、小動物みたいで少し笑える。ハムスターみたいだ。



…誰だよ、コイツをはんにゃとか野獣呼ばわりした奴。俺と勇哉だ。

本当、反省だ。



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