綿菓子と唐辛子


・・・ 


同じアパートに、俺とヒメは隣同士。なんという奇跡。新学期始まってから、驚きの連続だ。頭がついていかない。

それにしてもこれが勇哉にバレたりしたら、アイツはなんて言うのだろうか。


「…マジかよ……」


一気に落ち着かなくなった。

隣にアイツがいるってだけで、何かと緊張してしまう。


くそー。ただのオッサンとかオバサンが住んでるんだと思ってた俺が間違いだった!親父とお袋がいないせいでこんなことになっていることを少し悔やんだ。


引っ越して来た隣人が同じクラスの女の子でしたって展開、どこの少年漫画だよ。ジャ◯プとかに一作品は入っているアレの設定だよ。

まだ高校生なのに、こんな展開に巻き込まれるってどうなんだ。


…とりあえず、いつものようにテレビをつけた。飯はさっき食ったから、食べなくてもいいや。お腹減ってないし。

昨日録画しといたサスペンスドラマを見て、風呂に入って寝よう。


よし、それでいい。うん、落ち着かなきゃ。




< 33 / 265 >

この作品をシェア

pagetop