綿菓子と唐辛子


ま、いーや。

ヒメのおかげで俺は文字を書けるんだし。授業はめんどくさいけどテストの点は落としたくないしな。

文句のひとつくらい見逃してやるよ。



ヒメから渋々と渡されたゴツいシャーペンを持ち替えて、ノートを開いた。
みんなより出遅れた分を取り返さねーと。


…しん芯を出そうとゴジラの頭を押した。指の腹に当たって、地味に痛い。なんでこんな肉に食い込むような構造をしてんだよ。ケガするわ。


そう心の中で文句を呟いていたときだった。目の前の黒い生物に、異変が起きたのは。




『ガオー』




!?!?!?


「………」


「…ぶっ……」



『ガオガオー』



「ぶっ…ははははははははは!!」



な、鳴いたーーーーー!?


「きゃっははははははは」

「!?!?」


ヒメが、吹き出すように笑った。授業中なのに転がり込む勢いでひくひくと体を震わせている。


つーか、なんだこの機能!?



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