綿菓子と唐辛子

クラスに着くと、さっそく新しいメンバーが揃っていて、みんなのテンションは最高に達していた。

勇哉も俺の隣で色んな奴にあいさつしてたけど、俺は知り合いにペコっと頭を下げるだけにした。

…朝からハイテンションに話すなんて、やってらんないし。超絶人見知りだし。



「あーー！夏那ーー！！」

「…！」


突然、甲高い声で名前を呼ばれ、「やばい」と身体が強張った。
だけど身体の方が遅くて、あっという間に背中の方から衝撃が走った。


「いって………」

「夏那ー、同じクラス久し振りだね。あ、勇哉も！」

「おー、南じゃん」

「…崎守…お前な……」


朝から本当に大迷惑なやつ。

こんなハイテンションで、かつ勇哉と話す奴は一人しかいないのを俺は知ってる。

崎守　南(さきもり　みなみ)。

こいつだけだ。