綿菓子と唐辛子



「なんかさ、結構楽しそうなクラスだよね〜!超嬉しいんだけど!」

「なー、楽しそうだよな」

「…おい。お前、俺の話聞いてんの?」

「あれ?夏那だ!おはよー!」

「そんなおふざけいらねーから話聞け?」


崎守も同じ小学校からのメンバーで。
中学3年の時クラスが離れて以来の、同じクラスだ。

勇哉と同じ、天然なブラウンの髪が特徴。
あ、あとは甲高い声。そしてあまり役に立ちそうにない脳みそ。

多分、一緒にいると必ずイラッとさせられる女友達の上位にランクインするんじゃないかと、個人的に思っている。


…朝からこんなテンションで突っ走るこいつのことが、低血圧な俺は、少し苦手。いいやつだけどな。たぶん。


「なー、ていうかさ、ナツー。さっき見つけた相坂姫芽ちゃんが気になるのよ、俺は」

「あー、ヒメな」

「ヒメな、って…。さっそく呼び捨てかよ」


どーでもいいことに突っ込んでくる勇哉から、机を叩かれた。ツッコミのつもりなのだろうか。


「まだ来ないのかなあー。見つけられないや」

「…」


俺も少し気になる…って思うのは、さっきから勇哉が気にしてるからなんだろうけど。

あと、名前。あのお姫様みたいな名前。今どきあんな名前、珍しくもなんともないのは分かってるけど。

本当にいるんだなーって、ちょっと思う。




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