綿菓子と唐辛子
ーー次の日。
「ナツー!購買行こうぜ!」
「…食いたくねぇ………」
「…え?」
情けないことに、ヒメからの失恋をきっかけに、俺は腹どころか喉も満足に食べ物を欲しなくなってしまっていた。
「…ど、どーしたんだよ、おまえ…。顔真っ青だよ?」
「…ん……」
昨日、一晩中考えてた。
ヒメから、忘れてくれと言われた告白。
なにが、どこがいけなかったのか。
なぜヒメは、俺のことが好きなのに、付き合うことが出来ないと言うのか。
「…なぁ、勇哉」
「ん?」
「……好きな奴とつき合えない理由って、なんだと思う」
…あんなに。
あんなに、震える手で俺の服をつかんで。
拒んで、拒んで、まるでヒメの世界と俺の世界を遮断するかのように。