綿菓子と唐辛子


「………」


俺の席は、前から二番目。廊下側から二列目だった。

右隣と前の席の奴は来ていた。
あと、南が斜め右後ろに座っていた。


前に座ってる奴は知らない。
メガネをかけてる男みたいだけど、今まで一度も話したことないし。

南は面倒臭いから出来るだけ話しかけたくないし。

右側に座ってる人は、新学期にも関わらずダサいうちの学校のジャージを着てるし……。


「……」


って、ん……?

ジャージ……?朝っぱらから、しかも新学期1日目からジャージ?



「ねーねー!あなた、なんて言う名前なの?良かったら友達になろーよ!」

「……」


…さっそく、南が話しかけている。あんな変わったオーラ出しまくってんのに、本当にコミュニケーション能力のカタマリだ。俺にはできない。

南は、下を向いてる、ジャージを上下着た明らかに浮いてるソイツに、一生懸命話しかけていた。


「ね、去年は何組だったの?」


…いやいや、その前にジャージに突っ込めよ、お前。本当に頭の悪いというか、ズレているというか。


だって新学期早々ジャージだぞ。

意味分かんねーじゃん。


つーかこんな人と同じ出席番号って、俺はこれからどうしたら…



って、え…?



同じ、出席番号………。








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