綿菓子と唐辛子
「…好きなやつと、付き合えない理由?」
「…ん」
頭がぼーっとする。昨日全然寝てないから…。
「…まぁ、それは、好きな奴だったら普通に考えると、付き合いたいって思うよなあ。なに?ナツ、お前の問題?」
「…いや」
…ちがう。そういうことじゃない。
俺は、ヒメと、ずっと一緒にいたいだけ。
そりゃあ、付き合ったら、どっかに出かけたりもしてみたいけど。
ただ、ヒメが持ってるその可愛さを、俺が独り占めしたいだけなんだよ…。
「…ナツ、相坂と何かあったの?」
「………」
口に出すのも嫌だ。
だって、本当に納得できないんだ。