綿菓子と唐辛子
「ごめんね、ナツ、今日は調子悪いみたいなんだよね。悪いけど、そっとしておいてくれない?」
何も答えない俺を見かねたのか、勇哉が代わりに応えてくれた。
佐々木さんのほうも見れない俺は、昨日のヒメを思い出しては負のオーラに巻き込まれる。
「…ナツくん…。どうしたの?」
「………何でもねぇ…」
あーもう、何もかも嫌だ。
何がダメなんだ…。
ヒメはいつもいつも、肝心なことを言ってくれない。
「…少し、保健室で寝てくる……」
勇哉と佐々木さんを残して、俺は保健室に向かった。
寝ていないからクラクラする。
気持ち悪い。なんだよ、失恋くらいで…。
情けない。