綿菓子と唐辛子



「失礼します…」


保健室にやってくると、杉村先生はお弁当を食べていた。


「あら、どうしたの?体調悪い?」


相変わらず笑顔だけは完璧だな、この人は。

男たちが騒ぐ意味が分かるっつーか…。


「…寝させてください。寝不足なんです…」


「いいわよ。今は誰も使ってないし。わたしはこの後、職員室で会議があるからいなくなるけど、そのまま寝てていいからね」

「あ、はい」


ふかふかのベットに、シューズを脱いで寝転んだ。

天井を見ると、視界がぼやけてくる。


「…っ」



『ナツのことは、好き…』

『でも、彼女にはなれない』


「なんで……」


『お願い、何も聞かないで……』



なんで、だよ…。



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