綿菓子と唐辛子
俺の失恋の痛みは、部活にまで影響してしまった。
「せっ、せせせ先輩!挽き肉焦げちゃってますよぉ!!」
久しぶりに料理部に顔を出した。
今日のメニューは中華という大きなくくりの中で、麻婆豆腐を作っていた。
ニンニク、しょうがをみじん切りにして、中華鍋で炒めるところまではよかった。
…でも。
「うわっ!真っ黒焦げ!!!!」
挽き肉を入れたところで、またまたフリーズ。
ヒメの言動やらなんやからかんやら、思い出してボーッとしているうちに、細かな挽き肉は真っ黒焦げになってしまった。
「ちょ!先輩!せっかく安い店探して買ってきた肉だったのにぃ~!」
「す、すまん…;ほんとに……」
はぁ…。なんてことだ。
気分転換するためにきたのに、あほか俺は。
「ごめん、環。俺の金から挽き肉代差し引いといて」
「はい、そうさせてもらいますよ」
半分怒ってる環に、頭が上がらない俺。
これはもう、迷惑以外の何者でもないぞ。