綿菓子と唐辛子


「…わり、ちょっと教室戻ってくるわ」

「ええ?!ちょっと、先輩!」

「環、皿は洗っていくから。これ、家庭科室の鍵、職員室の保管場所にかけて終わってて」


急いで片づけをして、俺は荷物を持ってクラスに向かった。


南の話は、きっと、もしかしなくてもヒメの話だ。

なんの根拠もないのに、なぜか体がフワフワしてて落ち着かない。

どうして俺は、こんなにも緊張しているんだろう。


何に期待をしているんだろう。

分からない。




…本当に、俺。

恋愛ごときで、自分自身がここまで壊れるなんて、全然想像してなかったんだよ。


< 95 / 265 >

この作品をシェア

pagetop