綿菓子と唐辛子
「…わり、ちょっと教室戻ってくるわ」
「ええ?!ちょっと、先輩!」
「環、皿は洗っていくから。これ、家庭科室の鍵、職員室の保管場所にかけて終わってて」
急いで片づけをして、俺は荷物を持ってクラスに向かった。
南の話は、きっと、もしかしなくてもヒメの話だ。
なんの根拠もないのに、なぜか体がフワフワしてて落ち着かない。
どうして俺は、こんなにも緊張しているんだろう。
何に期待をしているんだろう。
分からない。
…本当に、俺。
恋愛ごときで、自分自身がここまで壊れるなんて、全然想像してなかったんだよ。