綿菓子と唐辛子
家庭科室を飛び出して、自分の教室に向かった。早く、教室に着けばいいと思ったのは初めてだった。
…こんなに、教室まで走ったことはない。
でも走らないと、なんとなく落ち着いていられなかった。
足が、抜け落ちそうで。そのくらい、緊張していて。胸が高鳴っていて。
「…南!」
教室についたころには、息が切れていた。大きく肩が動いて、心臓がくるしいと言わんばかりに暴れていた。
なんとなく上を向けなくて、しばらく下を向いて息を吐いてた。
「…ずいぶん走ってきたんだな」
「…あぁ。部活の途中だったんだけど、お前からメールが…あって……そのまま…」
………?
あれ…………?