プラチナブルーの夏
14.
夏はどうしてこんなにも、記憶を鮮明に焼きつけるのだろう。
 
毎年巡り来るたびに、あたしのカラダに突き刺さる全て。
 
一重、二重、あとどれくらい記憶を上から塗り重ねていけば、悲痛な思いは和らいでくれるのだろう。
 
あの時のあたしは、一体どうすれば良かったのだろう。
 
一人ぼっちになった今でも、あたしは乞うように空を見上げる。
 
もう、とっくの昔にあきらめた、願いを取り戻すように。
 
真っ青に蒼ざめた夏の空は、見放した色であたしを見下ろす。
 
このカラダを傷つけて、消えてしまえば良かったのだろうか?

この、意味もなく大きく膨らんだ二つの胸を削ぎ落としてしまえば、失わずに済んだのだろうか?
 

たった一つのあたしの居場所を。
 

大好きだった、親友の笑顔を。
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