プラチナブルーの夏
17.
その瞬間。
金縛りが解けたかのようにあたしの足は瞬時に動き、小汚いソイツの腹を
ベンチもろとも思いっきり蹴り飛ばし、一気に走り出した。
「あ~~お嬢ちゃ~ん!忘れ物、忘れ物!!」
バカなあたしはその言葉を聞き、反射的に振り返ってしまった。
「またねぇぇ~~~」
ソイツは倒れたままのベンチの脇に立ち、ズボンのチャックから下半身を露出していた。
その上さらにソコに手を添えて、フルフルと動かして見せていた。
(…………っ!!)
最低……最悪だ!!!アイツに触られた腕を、一刻も早く洗いたい!!
全速力で走り続けながら、涙が止め処なく溢れて来た。
どうしてこんな目に、遭わなきゃいけないの?
『色気づいちゃって』『エッチなカラダだねぇ…』
どこまで逃げても母親とアイツの声が、耳の奥に渦巻いて離れない。
(誰か…誰か助けて!!リツコ……リツコ……!!)
いつもみたいに全部を笑い飛ばして。ココロから安心出来る、あのチェシャ・スマイルを見せて。
道端にしゃがみ込んだあたしを、道行く人々が怪訝そうに一瞥していく。
ついに耐え切れなくなったあたしは、リツコに電話をかけてしまった。
金縛りが解けたかのようにあたしの足は瞬時に動き、小汚いソイツの腹を
ベンチもろとも思いっきり蹴り飛ばし、一気に走り出した。
「あ~~お嬢ちゃ~ん!忘れ物、忘れ物!!」
バカなあたしはその言葉を聞き、反射的に振り返ってしまった。
「またねぇぇ~~~」
ソイツは倒れたままのベンチの脇に立ち、ズボンのチャックから下半身を露出していた。
その上さらにソコに手を添えて、フルフルと動かして見せていた。
(…………っ!!)
最低……最悪だ!!!アイツに触られた腕を、一刻も早く洗いたい!!
全速力で走り続けながら、涙が止め処なく溢れて来た。
どうしてこんな目に、遭わなきゃいけないの?
『色気づいちゃって』『エッチなカラダだねぇ…』
どこまで逃げても母親とアイツの声が、耳の奥に渦巻いて離れない。
(誰か…誰か助けて!!リツコ……リツコ……!!)
いつもみたいに全部を笑い飛ばして。ココロから安心出来る、あのチェシャ・スマイルを見せて。
道端にしゃがみ込んだあたしを、道行く人々が怪訝そうに一瞥していく。
ついに耐え切れなくなったあたしは、リツコに電話をかけてしまった。