プラチナブルーの夏
「うん。気持ちよかった。どうもありがとね」
 
続いて、同じくテレビを観ていたユウスケさんが振り向き、

「ここん家のシャワーなぁ、いきなり熱湯になったり水になったりする事あるんだわ。

ミズキちゃん、大丈夫だったか?」
 
ちなみに俺がさっき浴びた時は熱湯出たわ。マジびびるわ、あれ。

ものすごい破壊力だわ…。
 
と、呟いた。

「あたしは大丈夫だったよ?」
 
真顔になっているユウスケさんがおかしくて笑って答えると

「ほれ、みぃ。ユウスケは日頃の行いが悪いから、うちのシャワーに嫌われとるんよ!」
 
リツコがユウスケさんの肩を、楽しそうにぐいぐい揺らした。
 
ふてくされたようにリツコを見たユウスケさんが、まるで年下の男の子の様に見えた。

「いやぁ~しっかし今夜も暑いなぁ。ミズキ、扇風機ここ置くからな。

ボタン『強』にしとくわ。首は振っとくけどな」
 
リツコは、相変わらずめっきり帰って来ないというお母さんの部屋に、あたしの布団を敷いてくれた。

「でも、そうしたらリツコとユウスケさんの部屋が暑くなっちゃうじゃない。いいよ、扇風機はそっちで使って」

「うちらの方はえーんよ。窓開けて網戸にして寝るし。

あっちの部屋の方が窓一個多いから、割と風入るしな」
 
そしたら、おやすみ。明日、今日の詳しい話、聞かせてや。
 
リツコは小声でそう言うと、既にユウスケさんが寝ている、隣りの部屋の襖を開け、静かに入って行った。

スラッ…………パタン。
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