プラチナブルーの夏
「ユウ……………っ!!」

驚きのあまり、思わず声が出たあたしの口を、ユウスケさんの大きな手が素早く包んだ。

「しーっ…!静かにしてて……わかった?…手ぇはずすけど、黙って。…な?」
 
何が起こっているのかも把握出来ないまま、あたしは必死でコクコクと何度か頷いた。
 
少し汗ばんだユウスケさんの手が、ゆっくりと口から剥がれた。

その瞬間、ユウスケさんは、今度は自分の唇であたしの口を塞いで来た。

「…っ…んーー!…んーーーっ…!!」
 
上から覆い被さってきたカラダを引き離そうと振り上げた、両手首を押さえつけられながら、

口の中で暴れるユウスケさんの舌から逃れようと、あたしは顔をブンブンと振り回し、必死で抵抗したが、ムダだった。
 
するりとユウスケさんの片手が、リツコに借りたパジャマ代わりのTシャツの中に滑り込み、手のひらが胸に触れ、やがて柔らかく撫で回し始めた。
 
その時リツコのTシャツから、ふいに彼女の香りがした。
 
リツコだけは…リツコの事だけは、傷つけたくないのに。

なんで?なんでユウスケさんはこんな事をするの?
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