プラチナブルーの夏
ユウスケさんの胸の辺りに、頬を押しつける形で抱き寄せられた。

…なんて、強引なんだろう。

「メシ食う時にさ…リツコが言ってたじゃん?

この頃、全然エッチしとらんって」
 
胸から直接響いて来るユウスケさんの声。

あたしは相槌も打たずに、ジッと黙っていた。

何かを言おうとしたら、また唇を塞がれてしまうかも知れないと思ったから。

「ミズキちゃんみたいな子の方が俺、ほんとは好みなんだよ。

色白くて痩せ過ぎてなくて…スタイルもむっちゃいいしな。

そんなん考えてたら、だんだんリツコとヤる気がなくなっちゃったんだわ」
 
………何?
 
何言ってんの?この人…………
 
急激に、腹が立って来た。
 
暫くの沈黙の後、あたしはふいをついて力いっぱいユウスケさんを突き飛ばした。
 
公園で、思いっ切りあの汚い男の腹を蹴り飛ばした時のように。
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