プラチナブルーの夏
しかし、一人だけ例外の子がいた。

隣の席に座っている、いつもネイルを綺麗にデコって、

つけまもぱちぱち、メイクもばっちりのカナというギャルっぽい女の子。

「ねー、ミズキの髪って長いのに超きれいじゃない??

パックとか何使ってんのっ?☆」

「カナねーバカっぽいから自分の名前呼ぶなって彼氏に言われてんの。

でもカナはカナじゃんっ?別によくない?って思うんだよね」

例によって、生返事を繰り返すあたしに、ある日カナは言った。

「ミズキってさぁ、なんかもしかしてカナのことバカみたいとか思ってな

い??てゆうかクラスの子達のこと全員☆

なんでいつもそんなにテンション低いのっ?」

「そんな…別にバカになんかしてないよ」

「うっそだぁ~っ☆だって誰とも話さないじゃんっ☆

笑ってるとこも見たことないしぃ。どーしてそんなにクールなのぉ?」
 
クール?…そんなつもりは、全くなかったのだけれど。
 
ただ、リツコとの悲しすぎる別れを思い出すと、どうしても

仲のいい友達を作る気になんてなれないだけだ。

「せっかくもーすぐ夏休みなんだしさっ☆一緒に遊ぼうよっ☆

メアド教えてよっ☆ねっ??」
 
カナはなぜだかわからないけれど、あたしのことをとても気に入っているようだった。

私はカナのその熱意にちょっと圧倒されてしまい、

結局お互いの携帯の番号を教えあうことになってしまった。
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