プラチナブルーの夏
数日間、あたしはずっと部屋に籠もっていた。

母親は入院していただなんて全く信じられないほど毎日元気で、

しかもなんだか不気味なくらいあたしに優しかった。

あたしはほとんどの時間をベッドの上で過ごし、思っていた以上に

襲われた時のダメージが深かったようで、ぐったりと眠っている時間が多かった。けれど。
 
起きている時はいつも、どこか心の片隅でトモロウの事を考えていた。

一体、彼は何者なんだろう?

外に住んでいたり、『ワケありの間で有名な病院』を知っていたり。

そして何より、男の人に対するあたしの嫌悪感や恐怖心を一切感じさせない、不思議な人。

あたしはあの人と、もっとじっくり話がしてみたい。
 
何故かはわからないけれど、そうしなくてはいけないような気すらする。
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