アドラーキャット





完全に口調は宴会の掛け声だった。

荻野目くんは少し訝しんで押し付けられたミルクティーを見る。
躊躇った後、もう私の絡みから逃げるためには飲むしかないと覚悟を決めたのかぐいっといった。

「どう!?」

そう言って荻野目くんの顔を覗き込んで驚いた。

なんか、目がキラキラしていたのだ。
美人が目をキラキラさせると破壊力がすごいんだね。
私ひとつ勉強したよ。

そしてまさか、まさかだが、あの無口が代名詞の荻野目くんが、しゃべったのだ。

「おいしい……。」

荻野目くんがミルクティーを美味しいと言ったことよりも、彼が目をキラキラさせてたことと喋ったことの方がインパクトが強かった。

「っだよね‼これ美味しいよね‼」

一拍遅れて私はそう返した。

なんだ、この子けっこう可愛いじゃないか。




「荻野目くんってアレだよね、ネコみたいだよね、かわいい。」


その後の荻野目くんの表情ですべてを悟った。

彼、多分ニャンコ嫌いだ。



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