アドラーキャット
デカルト
和歌サークルからの帰り、荻野目くんは買いたい本があるから、と本屋へ行ってしまった。
必然的に私と祐介くんで帰ることになる。
それぞれの教授の愚痴や最近あったこと、取り留めもないことをポツポツと話していたら、なんだか無性にロールケーキが食べたくなった。
ケーキ屋さんで売っているような本格的なのじゃなくてもいいから、とりあえず今は甘いものが食べたかった。
「祐介くん、ちょっとコンビニ寄っていい?」
「いいですよ。」
歩いて一分もかからない場所にコンビニがあったのでそこに寄る。
パンコーナーのロールケーキが置いてある場所でチョコにしようか普通のプレーンにしようか悩んでいると、横から祐介くんが尋ねてきた。
「瑞希先輩、ロールケーキ好きだったんですか?」
「いや、そーゆーわけじゃないけど、なんか今無性にロールケーキが食べたくて。」