アドラーキャット



「荻野目くん、お願いがあるんだけど。」

「……なに?」

「お菓子の作り方教えてください。」

「もうすぐバレンタインだから?」

「そうです。」

「彼氏に、教えてもらうの?」

「……料理、苦手なんです。」







「みずきって料理苦手だったんだ。」

「うん。うちは家系なのかおばあちゃんもお母さんも料理ひどくて。」

「不味いの?」

「うん。お母さんとおばあちゃんが作ったものは見た目だけはいいんだけどね。」

「……みずきが作ったものは?」

「見た目も味も酷いって言われる。」

「救いようがないね。」

「分かってんだから言わなくていいよ!!悲しくなるから‼」






「みずき、クッキー生地できた?」

「うん出来たよ。」

「……これ、何入れたの?」

「紫キャベツ!!紫色のクッキーって斬新で良さそうじゃない?」

「…………。」





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