アドラーキャット
微妙な長さの話
秋のからっとした天気。
ある高校の体育館ではボールが弾む音がこだましていた。
「はーい、じゃ休憩!!」
髪をショートカットにした背の高いキャプテンの言葉に、女子バレー部員がわらわらと飲み物の周りに集まる。
それを反対側のコートから見ている少年、荻野目駿、16歳。
の、隣にいる少しキリッと怖そうな顔の少年、同じく16歳の祐介。
女子バレー部の休憩風景には、汗を拭う瑞希の姿。
白いTシャツがまだ夏の名残のように眩しい。
そこで、唐突に祐介が呟いた。
「へー荻野目ってあーゆー瑞希先輩が好きなんだ。」
パァンッ!!
「ってぇ‼無言で叩くなよ!!」
「祐介がうるさかったから。」
でも否定はしないんだよな、と一人考える祐介だった。