アドラーキャット


「本当にさー、佳乃子ちゃんとトイレとか行きたくないんだよね私。」

「え、なんでですか?」

「だってトイレって鏡あるじゃん。隣にいる佳乃子ちゃん見て可愛いなーって思ってから正面見るとうっわなんだこのブス!!ってショックでかいんだよね。」

「………そうですか。」

玉ねぎの甘さが口の中に広がる。
今度荻野目くんに親子丼作ってもらおう。


「佳乃子さんが傷つく前に言っちゃった方がいいですよ。てか、瑞希先輩も黙ったまんまじゃ嫌でしょう?」

「………そのことでさ、別の可能性を考えちゃって。」

「どうせくだらないことでしょう。」

「なんで祐介くんの中の私そんなに評価低いの!?」

「三年一緒にいたんだから瑞希先輩の思いつくことなんてたかがしれてるって分かってますから。」

「君三年前はすごくいい後輩だったのに‼」

「今でもいい後輩でしょう?」


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