アドラーキャット





『荻野目がすっげぇめんどくさいんで早く仲直りしてください。』



荻野目くんと喧嘩というか、一方的に別れてから三日後に祐介くんからそんなメールがきた。


『断る。』


後で祐介くんにめちゃめちゃ文句言われそーだな、と思いながらそれだけ返信しておいた。

というか、今回は私は謝るつもりなんて全くない。
毛頭ない。
どう考えたって荻野目くんが悪いだろう。
だって、彼女がいるのに別の女の子とキスするなんて。

普通だったら別れててもおかしくない状況だよね。
いや、この絶縁状態は別れてるといっていいのか。

なんか考えてたら腹立ってきた。
荻野目くん宛に代引きで毛ガニ送ってやろうか。
財布が軽くなって泣き喚けばいい。


毎日くる荻野目くんからのメールも無視し続けているからか、荻野目くんは今度は祐介くんに私を説得するよう頼んだのだろう。
無駄な足掻き。





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