アドラーキャット




「……みずきさー、あんなに構ってたニャンコくんとここ数日全然会ってないよね。」

「知りませんよそんな猫なんて。私猫アレルギーなんで。」

「ふーん。」


ちなみに私は今傑先輩の家に来ている。
というか押しかけた。

メールも電話もダメとなるといつか荻野目くんが家にまで来そうだから出来る限り友達の家で日中を過ごすようにしたのだ。

もちーっとした苺大福を食べながら傑先輩は私の方を見やる。


「一応聞くけどさ、何があったの。」

「浮気ですよ浮気。」

「お前が?」

「んなわけないです馬鹿じゃないですか。」

「イライラしてるのは分かるけど俺に当たんなよー。」

三口で大福を食べ終えた先輩は何故か私の方を見てニヤニヤ笑う。


「……なんですか。」

「いや、別に。意外だなって思って。」

「何がですか。」

「あのニャンコくんが浮気する度胸があったとは。」

「……。」




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