スキで何が悪い!?【完】
「お前らって付き合ってんの?」
サッカー部に入っている俺は、俺の部活が終わるのを待っているゆめを、見つけた部活仲間に聞かれた。
「は?…いや…付き合ってないケド…?」
ゆめが待っているのはいつものことなのに、急に何言ってんだよ?
部活が終わって、片づけを始めた頃だった。
秋らしく、俺達はイチョウの黄色いじゅうたんの上に立ってた。
イチョウの木の枝の隙間から、オレンジ色の光が夜に近づいていることを告げて、下校時刻に近づくチャイムが鳴り響いていた。
片づけ早くしねーと…
田中は、何かを言うか迷っているように見えた。
「なんでそんな事聞くんだよ?」
俺は少しへらっと笑って、聞いてきた田中の、少し張りつめた空気を軽くした。