out of control ***ハァトがゆうこときかないの。【執筆中】
「どうしたの」

カオル君が、近づいてきた。

うつむいたまま、私は黙っていた。

ふいに、ふわりと彼の香水が香った。

切なくて、どうしようもなくなった私は、思い切って顔を上げた。

「…」

「…」

禁断の、テレパシー。


…なんて。


そんなの、使えたら、世話ないよね。


見つめ合っている二人の横を、自転車が通り過ぎた。

パッと右腕を出して、カオル君が私のカラダを庇う。

「あっ」

道の端に避けようとして、思わずグラッと傾いた私は

カオルくんの右腕に両手でしがみついた。

「ごめ…」

……んっ……
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