out of control ***ハァトがゆうこときかないの。【執筆中】
キス……


を。


されているんだと思う間もなく、私はカオル君の背中に手を回していた。


夢中に、なった。


カオル君の両腕は、あの日と同じ強さと温かさで私をすっぽりと包み込んだ。


うれしい。いとしい。くるしい。・・・せつない。


私たちの横をまた誰かが通り過ぎたけれど、そんなことはどうでも良かった。


カオル君の甘くて熱い舌に身もとろけてしまいそうだ。

果てまで飛んでいきそうだ。


「…んだよ」


わずかに離れた唇のすきまから、声が聞こえた。


『なんで、会いにこなかったんだよ』


「え…?」

茶色の瞳が揺れていた。少し、すねたように斜めを見下ろして。


「俺、ずっと待ってたのに。…すげー会いたかったのに」


「…だから、怒ってたの?」


「怒ってない」


「うそ。すごい機嫌悪かったじゃん」


なんだか、少しずつ、笑いがこぼれてきてしまった。


「だって。真希ちゃんがこねーから…」

「あはは!」

「あははじゃねーよ!俺は、ほんとに…」



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