out of control ***ハァトがゆうこときかないの。【執筆中】
「・・・あのさ、マキちゃん」
泣き止まない私に向かって
セイちゃんは言った。
「言いたかったら聞くし
言いたくなければ聞かない。
しばらくここに住んでもいいし
帰りたければ帰ってもいい」
私は顔を上げ、セイちゃんと
目を合わせた。
ちょきちょきちょき。
ぱさり、ぱさり。
再び忙しげにハサミを操りながら
「このアパートってさぁ
なんかそういうヤツばっか集まってんだよね。
マキちゃんが薫に連れられて
ここに来たのも
たぶんマキちゃんが辛い目に遭ったせいかもって
思ってたんだ実は」
ニィっと笑うとセイちゃんは
優しい顔の猫みたいだった。