out of control ***ハァトがゆうこときかないの。【執筆中】
音を立てないようにそっと
私はセイちゃん達の部屋を出て
一瞬ぎくりとするほどギシギシと鳴る
木製の廊下と階段を忍び足で歩き
一階へと降りていった。
記憶が飛んで、ここへ来て
それから一度も外に出ていない。
少し、外の空気でも吸いに行こうと
思った。
薄暗い廊下の向こう、オレンジ色の
明かりが灯り、小さな水音が聞こえた。
セイちゃんが教えてくれた水道がある辺りだ。
人が動かす、空気の気配。
私はゆっくり水音の方へと近づいて行った。
「あれっ?どしたの?」
覗き込むようにして、いきなり現れるから
私は思わず声を上げそうになった。
咄嗟に私の口を大きな手がふさいだ。
「ごめん、ごめん」
ヘアバンドで前髪を上げて首に
タオルを巻いた笑窪。
・・・・・・カオル君。