SAMURAI PLUM

黒崎 楓-KUROSAKI KAEDE-

西暦2215年2月19日生(現在:22歳)。

身長159cm、体重45kg、血液型B、足23.5cm、BWH77.57.78。

ヴィッセル大学経済学部卒業後、西暦2237年4月より地方公務員に就く。

同年10月3日…───。


「───…“特異体質者(もののふ)"として目覚める、か」


携帯型端末から投影された記録を見ていると、せかせかと身仕度をする音が聞こえる。

頬にできた赤い手形を擦り、肩を落とす烏間。


「お、お待たせしました」

「おう」

「さ、先程は失礼致しました。教育係の方とは知らず、ひ、平手打ちを」


深々と腰を曲げる黒崎。

紺の布地に桜の柄付け。帯を締め、簪(かんざし)を指した着物姿。

その姿に、思わず口笛を鳴らす。


「いやいや、俺の配慮不足さ。平手打ち(こいつ)は有難く貰っておくよ」


そう皮肉を漏らし、端末をしまう。


「さてと、まずは自己紹介からだ。俺は…───」

「───…烏間 蓮次、さんですよね。事前資料を拝見しました。あの、私は…───」

「───…黒崎 楓、ちゃんだろ」


少し驚いたようだが、黒崎は「はいっ」と歯切れの良い返事をする。

烏間は口端を緩め、メロンパンを頬張ると言った。


「では、行きますか」

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