非通知、着信。





チリリン、と風が吹いて風鈴が鳴る。



真っ暗な夜中、私は昨日のように寝れずにいた。




カチカチ、と時計の秒針が触れる音が大きく聞こえる。










PLLLLLL



PLLLLLLLLLLPLLLLLLLLL












携帯の着信が部屋に響く。


携帯のディスプレイには、あの文字。




”非通知”










携帯を持つ手が、自然と震える。



暑いはずの部屋に、冷たい風がビューっと吹き渡る。








ピタリと着信が止まると、急に不安に駆られた。



理由(ワケ)のわからない、得体の知れないものに追われている…




そんな、感覚。


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