非通知、着信。




屋上から戻ると、どこかでザワついている声が聞こえた。


何かに押されるように、階段を駆け下り教室に戻る。




みんな、雨に打たれるのも気にしないで窓から身を乗り出していた。




私の存在に気づいた理恵ちゃんが手招きして私を呼ぶ。


私も窓の外を見てそのザワツキの意味がわかった。









数台の見慣れない、サイレンを鳴らしたパトカーが学校の敷地に止められていた。




それだけじゃなかった。



数え切れないくらいの人が、廊下を歩いていた。



…まるで、大名行列みたいに。














コンコンッ――












「失礼します」









ノックと同時に入ってきたのは、スーツ姿の警察。




池上を呼び、教室の外で何かを話していたみたいなんだけど。






私たち生徒は、顔を見合わせて身体を震わせた。




多分、みんな同じ事を考えていたんだとおもう。








きっと…………






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