非通知、着信。
始まりの、着信。

【Target01】浜野翔太



夏の夜は寝苦しくて嫌い。


扇風機を回す音が、狭い自分の部屋に響いている。



何度も寝返りを打ってみるけど、この日は眠れなかった。









PLLLLLL…







PLLLLLLLPLLLLLLLL…















充電していた携帯が静かに鳴り出す。


閉じていた目を開けて時計を見ると、12時を少し過ぎた頃だった。






携帯の画面には、”非通知”の文字。



私は基本的に非通知や知らない番号には出ないので、その時もチラリと目をやっただけで、出ようとはしませんでした。





それが幸だったのか不幸だったのかは、その時はまだわかりませんでした。



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