非通知、着信。
寝苦しい夜が明けても、真夏の朝日は容赦なく地面を照りつけ、真昼間のようになる。
セミが今日も慌しく、忙しなく、ミンミンミンミンと鳴き続けている。
「…澪ー、起きてるの?」
ドアの向こうでママが私を呼ぶ。
「起きてるよ」と一言言うと、「あら、そ」と言いながらパタパタと階段を下りて行く音が聞こえる。
携帯を見ると、あれから非通知着信が2件。
私が寝てしまった後に、もう1件かかっていたらしい。
けど、そんな事は気にならなかった。
非通知がかかってくる事は、滅多にない事だったけど。
でも絶対ないとは言い切れなかったから。
間違い電話とか、よくあるしね。