子猫と珈琲




「何が悲しくてテメェと一緒に住まなきゃいけねえんだよ」



額に手を当てて、ハァと盛大に息を吐くのは、‘王子様’ではなく私の幼なじみ兼先輩。








「仕方ないでしょ、我慢して」




ポテチを貪りながら雑誌を見て、私は自分の部屋のように完全にくつろいでいた。







この部屋の主、日那岸愁(ひなぎししゅう)はベットに座り、床に寝転がる私をげしげしと足蹴りする。




イタタタ。マジでこいつ私のこと女だと思ってないな。






だがしかし、そんなことで動じる女ではないのだよ。




私は再び無視を決め込む。



それが面白くなかったのか、愁はベットから降りて私の隣に腰を下ろして片膝を立てた。







暫く愁は私の雑誌をつまらなさそうに眺め、私がページを捲ろうとすれば「まだ読んでねえ」とそれを阻止する。





ちなみに私の読んでいるページは『これをおさえとけば旬顔はイタダキっ♪トレンドメイク大図鑑★』。



乙女か!と心の中でツッコミを入れつつ、心優しい私は愁が読み終えるのを待つ。




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