そしてキスからはじまった
その150万を持って俺は孝の父親のもとに行った

トントンと事務所のドアを叩いた

「はい」低い声がした

俺はドアを開けて入った。

孝の父親は実業家で落ち着いた大人の雰囲気の素敵な人だ

「紫音君・・久しぶりだね。ジュリアの件はありがとう。

別の件であいつは逮捕されたよ。君の言うとおりに

添島紫音の知り合いと言ったら秘密で動いてくれたよ。」


俺はジュリアがレイプされたあの日、覚えた車のナンバーをこの人に託した。

警察に知り合いがいる、俺の名前を出せばあいつはもうジュリアには手を出せないようにしてくれるだろうと

知り合いといっても俺のではなく、おばあちゃんのだけど
おばあちゃんの実家の高山家はなぜか警察とかその反対の組織にもつながりがある。
俺には関係ないことだけど・・

孝の父親の話ではあれからすぐに警察に訪ねていった

俺の名前を出したら偉い人が出てきて部下に指示してくれた。
部下たちは交代であいつに秘密に張り付いてくれ、ジュリアの時のようにレイプしようとしたところを現行犯逮捕されたそうだ。

「連絡遅くなって申し訳ない・・

君はよくライブハウスに来てたから会えると思っていたんだが・・」

「いえ・・俺はあれからライブハウスにはあまり出入りしなくなったんで」

「・・そうか・・今日は何か私に用があったのかね?」

「はい・・」

俺は彼の前に150万入った封筒を置いた。

「これはなんだね」

「あの・・150万あります。ジュリアの借金に足りますか?」


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