そしてキスからはじまった
私はリリィさんの情報を得ようと思った。

近くのナースステーションに行って口の軽そうな若い看護婦に話しかけた。

「こんにちは、私セリナ」少し名前を変えて言った

「あっ、私、アマンダ」びっくりしてたけど差し出した私の手に握手してくれた

「ヨロシクね、アマンダ。私、あそこの病室にお見舞いに来たんだけどお母さんのお友達のリリィさんが同じ病室に入院してるの見たんだけど、お母さんに教えないといけないと思って何の病気で入院してるの?」

「えっ・・それはちょっと」

「お願い教えて・・アマンダから聞いたって言わないから・・だってすぐ退院するならお見舞い必要ないでしょ」

「うん・・ほんとに内緒よ・・子宮ガン・・すぐにでも手術したほうがいいんだけどやらないって言って薬で痛みを止めている状態・・」

「なんで手術しないの?」

「なんでってお金がないのが一番じゃないの?ここに入院だってしたくないって言ってたんだから
ねえ・・あなたのお母さんが説得してくれないかな?このままだと手遅れになってしまうから」


「・・ありがとう・・お母さんに言ってみる・・じゃあね」

私はこっそり携帯でリリィさんの写真を撮った。当然フラッシュはたかないようにして

私は家に帰り、ルイに電話してアマンダに聞いた通りの病気のことを話した。

リリィさんの写真をメールで送った。

お金がないために手術を拒否するなんて

ルイの頼みに浮かれて探偵気分になっていた自分が少し恥ずかしくなった。

彼女ジュリアはどうするんだろう?遠い日本でお母さんの事を聞いて・・

私はもしお母さんがそうなったらどうするだろう?

< 132 / 274 >

この作品をシェア

pagetop