そしてキスからはじまった


そして私はボスにお礼を言って搭乗口に入った。
何かあったら連絡しなさいと私が返そうとした携帯も受け取ってくれなかった。

最後まで優しいボス…

離陸した飛行機の窓から下の夜景を眺めながら涙がこぼれた…

さよなら・・

紫音・・

さよなら・・

もし…
もう一日あったら
あの桜の木の下に花を一輪、置いてきたかった。
貴方に会ったあの場所で
また偶然会ってさよならが言いたかった
そんな夢みたいなことを考えた。



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