そしてキスからはじまった
お母さんは手術を受けることを約束してくれた。
お母さんの体力が耐えられるようになったらと手術することに決まった。

当日…
手術はあっけなく終わった…

開いてみると手の施しようがないほど病状は進んでいた。

そのまま傷口は閉じられた。
余命三ヶ月…。痛みを出来るだけ和らげるだけの治療になった。

手術後、眠るお母さんの手を握りしめて泣いていた。
目を覚ましたお母さんは
「手遅れだった?分かってたの…自分の体だもの…
こんな母親なのに生きて欲しいって思ってくれてるのが嬉しかった…
出来るだけしたのにと思って欲しい、後悔して欲しくなかった。」

「ママ…」
私の涙を親指で拭いながら

「ジュリア…泣かないで…。
私はパパの所に行くの…。だから悲しくないの。
愛する彼のもとに行けるんだもの…」

それから三ヶ月を待たずにお母さんはお父さんの元に逝ってしまった。


「ジュリア…幸せになってね。パパと一緒に見守ってるからね。」
そういいながら眠るように逝ってしまった。
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