そしてキスからはじまった
「ジュリア…会いたかった…」
そう言って首の後ろに顔をうずめて囁いた

「しおん?紫音なの?…どうして?」
夢なの?私は夢を見ているのかも…何てリアルなんだろう?
匂い付き、暖かいし…

夢なら覚めないで…夢の中なら紫音は私だけのもの…
私は抱きしめてきた彼の両手を手袋を脱いでギュと握った。
手袋をしてない手はすごく冷たかった…
「ふふっ…夢なのに冷たい…」

「えっ…夢?酷いなぁ、 現実だよ。ジュリア」
笑いながら私を抱き締める両腕をゆるめて私を自分の方に向かせた。

「ねぇ本当に居るよ。」

「えっどうして?」
紫音は照れたように頭をかきながら
「リヨンに留学することにしたんだ。」
そう言った。
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