そしてキスからはじまった
いつもの彼と違った自分勝手な行為は私に彼の気持ちが変わったと思わせた。

私を乱暴したあの人から助けてくれ残りの借金も払ってくれた

…紫音だったの?

ボスが言った『ジュリアが考える恩返しをすればいい…』

私の考える恩返し?

私は彼が望むならこの体を差し出し、邪魔になるなら黙って消えること

あの綺麗な人がいる紫音との別れはもうすぐのような気がする…

愛してる紫音…

遠のく意識のなかで彼の熱を受け入れながら心が冷えていくのを感じた。

そんな私は紫音の言葉も聞こえなかった…

「ジュリア…君を離したくない。誰にも渡したくない。
俺の物にするにはこれしかないんだ…ごめん…ジュリア…」

愛の言葉…聞いていれば幸せだったのに…

聞いていれば私たちの関係も変わってたかもしれない…
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