そしてキスからはじまった
シャワーから出た私はテーブルに並ぶ昨日私が作った料理を見た。

作った時は幸せだったのに…

紫音が申し訳なさそうに微笑みながら

「何か作ろうと思って冷蔵庫を開けたら入ってて…
せっかく作ってくれたのに昨日食べれなくてゴメン…
今、食べようと温めたよ。…さあ食べよう…」

「う、うん」

「俺の好きなものばかりだ…。よく材料が揃ったね。」

「ちゃんとした材料がないから美味しいかどうかわからない。お肉がないからベーコンだし」

紫音の反応が気になってじっと彼を見つめた。

「美味しいよ。ジュリア…。ベーコンを入れたのは正解だね」

「ふふ…良かった…」

全部美味しいと言って食べてくれた紫音

あとかたずけも二人でした。

優しく微笑みながら私が洗ったお皿を拭いてはしまう彼…

幸せなほんのひと時も幸せに感じられない

あとかたずけもあと少しで終わる頃

「今日、買い物に行かない?バイト代が入ったんだ」
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