そしてキスからはじまった
私は7時に紫音を起こしにいった…
紫音起きてと肩を揺らして起こすけど
最後ぐらい良いよね
恋人みたいに彼の唇にキスをした…
びっくりして飛び起きる彼…
何だか可笑しい…
クスクス笑いながら
「もう時間だよ。シャワーを浴びてきて…」
紫音は頭を掻きながらシャワーを浴びに行った…
顔が赤くみえた…何だか可愛くて笑ってしまった…

シャワーを浴びてきた紫音は食卓のイスに腰掛けた。
「なんか朝から豪華だね。」
テーブルに並んだ料理を眺める。
「さあ!食べよう!」と小さくイタダキマスをする。
ご馳走様も必ずする…ちゃんと躾けられている彼…
そんなことは一緒に暮らさないと分からなかったこと…
自分が特別な気がしてくる…彼女よりも?…
そんなこと無いのに…
バカみたいと気がつかれないように首を横に振った

「いってらっしゃい、気をつけて」と玄関まで彼を送りにくる…
まるで新婚のように「行ってきます」とおでこにキスをする…
いつもの習慣はこれで最後…
泣かないようにバイバイと手を振る…
道を歩く彼を窓から眺める…
今日も彼女は赤い車で迎えにくるのだろうか?
紫音が立ち止まってこちらを振り返った…
私はさっとカーテンの影に隠れた…
気がつかれたかな?
ストーカーぽくて気持ち悪かったかな?
そんなこと今更気にしてもしょうがない
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