そしてキスからはじまった
ジュリア!雪が降ってるよ
ロニーが呼びに来てくれた。腎臓が悪い彼は生き残るのは移植しかない。
明るく元気な男の子…12歳の彼はみんなのお兄さんだ。

彼に連れられて中庭に来た。
誰が植えたのかここには桜の木がある。
雪が花びらのように見える…
「綺麗…」私は中庭に飛び出して桜の木の下で手を広げ顔を上に向けて雪を顔に受ける…
火照った顔に冷たくて気持ちいい…部屋はヒーターが効いてたから

「おうか」誰かの声が聞こえた。
声の方を見ると男の人が今にも泣きそうな顔で私を見ていた。
人違いに違いない。
でも私も泣きそうになった…
男の人は紫音によく似てたから…
眼の色は青くて紫の紫音とは違うが何年後の彼に会ったような気がした。
彼のお父さんだろうか?
もうすぐ一年間の留学が終わるから迎えに来たのだろうか?
私はとっさに笑顔を作った。
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