そしてキスからはじまった
俺はジュリアに会いにプレイルームに行く…
ここでは普通のおじさん。子供達と遊ぶのも楽しい。
紫音と遊んだことなんてなかったかもしれない…可哀想なことをしていた。
プレイルームでは子供達は勉強したり本を読んだり、遊んだりしている。
明日はクリスマスパーティー。
何がいいんだろう。…子供が何を喜ぶかわからない
まず本でもプレゼントしよう…
ふと手にとった絵本…
フランス語の本「桜の木のしたで」
本を読むと伝説の話と同じ内容…どうして?
表紙を見ると作者はミズキ.ニシグチ…ミズキって…桜花の弟?
「青さん?どうかしましたか?」
俺の手の本を見て
「あっ、その本、私のお父さんが書いたものなんです。本当の話だそうで…青さん?」
「お父さんは今どうしてるんだ?」
「えっ…お、お父さんは死にました。心臓病で…」
悲しそうにそう言った。

病気は遺伝なのか…
俺は医者に彼女の事を聞いた。心臓外科の若い医者・・腕は確かで次期医院長だそうだ。
彼女は妊娠していて検査で心臓が悪いことが分かったと言った。
子供をあきらめるように何度も言ったけど彼女は聞き入れないてはくれなかった。
妊娠もそうだが出産は命をかけることになるだろうと

噂の事も聞いた。本当か知りたかった…
噂は半分、本当だった…ただ相手はジュリアが妊娠してるのも心臓病なのも知らない。
相手には恋人がいて邪魔にならないように黙ってさよならをしたと言ったそうだ。
騙されたんだ…。こんな子を騙す相手が許せない
ジュリアは相手の名前すら言わない、庇うようなことしか言わない。
彼は悔しそうにそう言った。医者としてではないような気がする

桜花…もしかしたら君が会わせてくれたのかな?姪とその子を少しでも幸せにしたいと思って…
そんな事を思った。
俺に何が出来るだろうか?
俺は音信不通の紫音に連絡を取るために紫音の親友のルイ君に電話をした。
結局ルイ君と連絡が取れたのは次の日だった
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