そしてキスからはじまった
バイトも慣れた頃、彼女の様子を知りたいと思うけどまた様子を見にいくのもストーカーみたいじゃない…そんな事を思っていた。
バイトの帰り、行きつけの美容院に来ていた。もう11月も終わる、12月はアクセサリーショップは忙しくなる。
「久しぶりだねぇ。今日はどうするの?」
「カットと緩くパーマをかけてもらうかな」
「OK」
何気ないいつものおしゃべり、他のスタッフが彼女のもとに
「店長、明日、レベッカ行けなくなったって」
「行けなくなったって、どうするのよ」
さあというように肩をすくめる
「どうしたの?」
「あぁ、リヨン病院にボランティアでヘヤーカットに行ってるんだけどアシスタントの子が行けなくなって、しょうがない一人で行くか」
いい機会だ・・ジュリアの様子も見れるかもしれない。
「私じゃ無理かな?」
「えっ、大丈夫だけど」
私は明日の10時に約束をして店を出た。いくらか安くしてくれた。
次の日、約束の10時に美容院に行き、荷物を持ってタクシーで病院に行った。
一階のプレイルームで髪を切る。今日は10人ぐらい。
待っている人の会話が聞こえてきた。
「ジュリアちゃん、一人になっちゃったわね。いい子なのに」
「今はリリィが死んで間がないから忙しいけど落ち着くと寂しいよね」
死んだ?手術受けたんじゃないの?
私は「死んだって?どうして?」その人たちに駆け寄って聞いた。
「えっ、何?」
「あの私…リリィさんの知り合いで」
「あっ、そうなの。手術をしたんだけど手遅れで…呆気なかったわ。」
「そんな…そっ、それであのジュリアさんは?」
「多分、家にいるんじゃないかしら」

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