そしてキスからはじまった
座っている紫音の後ろに立った。麗美と金髪に偽笑顔を向けて
酔い潰れた彼を揺さぶりながら声を掛けた。
「紫音、やっばり紫音だ…アパートにいないからまだ店かと思ってきてみたらこんなに酔って…」
紫音は薄目を開けた。
「う〜ん、ルイ?ルイじゃないか…どうしてここに?」
「青さんが心配して連絡してきた。帰ろう」
「あぁ」
じゃあこれでと紫音と僕の飲み代を置いて引き止める声も無視して店を出た。
フラフラの紫音に肩を貸してタクシーで部屋に帰ってきた。

こんなに飲んで…雑然とした部屋…あんな女と何にもないよね。
ジュリアを悲しませるよなことしてないよね。
明日から僕も探すよ。
紫音をベッドに寝かせて布団を掛けた。

あれからいろいろ捜したがジュリアは見つからなかった。
そしてセシリアとも連絡が付かない。
彼女とは紫音がジュリアの指輪を買いに来たと嬉しそうに連絡してきたのが最後

僕からの着信を無視する子じゃないんだけど

クリスマスの装いで賑わう町に出かけた。
紫音はジュリアを捜してあちこちに出かけ、今だにあの店を辞めない。
姿を消した日、店を覗いてたと言う言葉からまた現れるんじゃないかと儚い希望を持っている。
あの女がいるあの店に来るわけ無い…そう言えず
あの女には気をつけろと青さんへの電話、薬の事を話した。
紫音はあまり反応を示さず気をつけるとだけ約束してくれた。

そして僕は彼女に再会した
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